精神と時の部屋に咲く向日葵

司法試験合格後の日常と法曹になるまでの道程を綴ったブログです。

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みなさんいかがお過ごしでしょうか。自分はフツーに格闘技を見てダラダラしています。
今年も色々ありましたがあっという間に終わりました。でもなんといっても合格したことでもうなんでもいいやって感じです。ホントよかった・・。
自分は風邪などひいていますが、みなさんは健康にいい大晦日~正月を過ごしてください。
今年1年ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
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1問目
 第1 携帯電話を差し押さえた行為の適法性
  1  差押えには原則として差押令状が必要である(憲法35条、法218条1項前段)。その趣旨は司法的抑制により不当な人権侵害を防止する点にある。
  2(1) そこで、例外的に逮捕に伴う差押え(220条1項2号、3項)として認められないか。携帯電話が差押対象物か問題となる。
   (2) 思うに、本条の趣旨は、令状主義の例外として逮捕者の安全を確保し、逃亡・罪証隠滅を防止する点にある。そこで、差押対象物は被疑事実に関連するもの及び逃亡・罪証隠滅のための凶器に限ると解する。
   (3) 本問で、覚せい剤の密売は、持ち運びが便利であり、仕入先・買い手と容易に連絡が可能な携帯電話を使うのが通常であるから、携帯電話は被疑事実に関連するものである。
   (4) したがって、本条により例外的に逮捕に伴う差押えが認められる。
  3(1) しかし、内容を確認せずに差押えることは許されるか。
   (2) 思うに、これは不当な人権侵害の恐れがあるから原則として否定すべきである。
       もっとも、捜査の必要性も否定できない。そこで、①対象物に被疑事実に関連する内容が含まれる高度の蓋然性があり②内容を確認することが困難であり③罪証隠滅の恐れがあり④犯罪の性質からの必要性が高い場合に限り例外的に許されると解する。
   (3) 本問で、前述のように携帯電話には覚せい剤譲渡に関連する内容が含まれる高度の蓋然性があり(①)、メモリーは情報が多く内容を確認することは困難である(②)。また、確かに甲は逮捕されているが仕入先や買い手による罪証隠滅の恐れがあり(③)、覚せい剤譲渡は重大犯罪かつ密航性があるし、多数人が関係する犯罪であり必要性が高い(④)。
   (4) したがって、例外的に許される。
  4  よって、適法である。
 第2 メモリー内容を精査した行為の適法性
  1  本件精査は対象物の形状・性質を五官の作用で強制的に認識する
   検証にあたり、無令状で認められないとも思える。
  2(1) しかし、「必要な処分」(222条1項本文前段、111条2項1項前段)として許されないか。
   (2) 思うに、本条の趣旨は差押えの実効性を担保すべく社会通念上相当な行為をなしうることとした点にある。そこで、社会通念上相当な行為に限り許されると解する。
   (3) 本問で、メモリー内容の精査は本人や他人のプライバシー侵害の危険が高い。そこで、本件精査がこれらに配慮して必要以上のプライバシー侵害を避けるという社会通念上相当な方法でなされた場合に限り、「必要な処分」として許される。
  3  よって、この場合に限り適法である。
 第3 Aを現行犯逮捕した行為の適法性
  1(1) 前提として、Aが乙を欺いて覚せい剤を出させた行為は適法か。
   (2) まず、本件捜査は「強制の処分」(197条1項但書)か。「強制の処分」ならば法の根拠なく認められないため問題となる。
   (3) 思うに、強制処分法定主義の趣旨は、意に反して重要な権利利益を制約する処分に厳格な手続を課す点にある。
       そこで、「強制の処分」とは意に反して重要な権利利益を制約する処分をいうと解する。
   (4) 本問で、乙はAが欺く前にすでに甲との約束により任意に覚せい剤を所持していたのであり、乙の意に反して重要な権利利益を制約しているわけではない。
   (5) したがって、「強制の処分」ではない。 
  2(1) そうだとしても、適正手続(憲法31条)の点から、任意処分としても「必要な」行為しかなしえない(197条1項本文)。
   (2) そして、本問でAが欺く前に元々乙は覚せい剤を所持しており、捜査機関が意図や身分を秘して人に犯罪を唆し犯行に出たところを逮捕するいわゆるおとり捜査そのものではないが、欺いている点に疑義が生じる。
      そこで、①必要性②相当性が認められる場合に限り許されると解する。
   (3) 本問で、覚せい剤所持は重大犯罪で密航性があり、多数人が関係するものゆえ必要性がある(①)。また、Aは甲を名のって「約束の物は持ってきてくれましたか」と言っただけであり、その際に必要以上の働きかけや暴力などを行っていないから相当性がある(②)。
   (4) したがって、「必要な処分」として許される。
  3  よって、適法である。
  4  そして、この適法な行為を前提として乙は「現に罪を行い」といえ、現行犯逮捕(212条1項)も適法である。
                                            以上
 

2問目
 1(1) 本件ビデオテープは甲の犯行を立証するためのものであり実質証拠として用いる場合である。
  (2) そして、これは刑罰権の存否を画する事実であり、「事実」であるから証拠能力が必要である(証拠裁判主義、317条)。その趣旨は事実認定に適正手続(憲法31条)を及ぼす点にある。
     そのため、①要証事実に対する必要最小限の証明力(自然的関連性)②裁判所の心証形成に類型的に誤った判断をもたらす危険のないこと(法律的関連性)③証拠禁止に触れないことが必要である。
  (3) 以下、順に検討する。
 2 ①自然的関連性
 (1) 放火現場に甲がいたことを内容とするビデオテープは犯行に対する必要最小限の証明力がある。
 (2) 確かに、ビデオテープ及び前提たるテレビ放映は編集・変造が容易である。しかし、これらは専門家の調査や撮影者への尋問により判断できるし、テレビ放映されているから調査も容易である。 
 (3) よって、自然的関連性はある(①)。
 3 ②法律的関連性
 (1)ア まず、テレビ放映及びビデオテープの作成過程は供述証拠か。供述証拠ならば伝聞法則の適用を受け、同意(326条1項)なき限り原則として証拠能力が否定される(320条以下)ため問題となる。
    イ 思うに、伝聞証拠の法律的関連性が原則として否定される趣旨は、供述証拠は知覚・記憶・表現・叙述の各過程を経て公判廷に検出されるため各過程に類型的に誤りの混入する危険が高く、被告人の反対尋問権(憲法37条2項)を保障する必要がある点にある。
      そして、テレビ放映及びビデオテープは各過程が機械的方法により作成されるため、類型的に誤りの混入する危険が低い。
    ウ したがって、作成過程は供述証拠ではない。
 (2)ア そうだとしても、供述内容が伝聞法則の適用を受けないか。
    イ 思うに、前述の趣旨から、伝聞証拠とは供述内容の真実性が問題となる場合であり、要証事実との関係で相対的に決すべきである。
      本問は、放火現場にいたというインタビューの内容の真実性が問題となる場合であり、伝聞証拠である。
      したがって、伝聞法則の適用を受ける。
    ウ 本件では「被告人の供述」であり、322条1項を検討する。
 (3)ア まず、放火現場に甲がいたということは「被告人に不利益な事実の承認」(同本文前段)である。
    イ そして、テレビのインタビューは私人が行ったものであり、「任意にされたもの」(319条1項参照)といえる(同但書)。
    ウ ただ、「署名若しくは押印」(同本文前段)は不要と解する。けだし、法が署名・押印を要求した趣旨は二重の伝聞過程を払拭する点にあるところ、前述のように作成過程は非供述証拠だからである。
 (4) したがって、322条1項の要件を満たす。
 (5) よって、例外的に法律的関連性がある(②)。
 4 ③証拠禁止に触れないこと
 (1) これについては、明文ないが違法収集証拠排除法則が問題となりうる。
 (2) この点、確かに捜査機関が無断でビデオテープに録画することはプライバシー侵害の面があることは否定できない。
     しかし、テレビ放映されたものをビデオテープに録画することは本来誰にでも自由に許されており、そもそも違法とまではいえない。
 (3) よって、証拠禁止に触れない(③)。
 5  以上より証拠能力が認められ、裁判所はこのビデオテープを証拠として採用できる。
                                            以上


 自己評価B 法務省評価A
1問目はおとりじゃないと断言したことがどうなるか怖かった。
2問目はこんなもんで十分だしこれ以上書けなかった。
1問目
 第1 第一審と控訴審との関係
  1  控訴審とは、事実審たる第二審をいう。
  2(1) 控訴審においては、いわゆる続審制が採用されている。ここに、続審制とは、第一審の審理の結果に控訴審での審理を合わせて判断
するものをいう。
   (2) このように続審制を採用していることは種々の規定に現れている。
     ア まず、「第一審においてした訴訟行為は、控訴審においてもその効力を有する」とする298条1項は、控訴審が第一審を踏まえて審理することを予定しているといいうる。
     イ また、「当事者は、第一審における口頭弁論の結果を陳述しなければならない」とする296条2項も同様に控訴審が第一審の結果をも合わせて審理することを予定しているといいうる。
     ウ さらに、擬制自白(159条1項)における「弁論の全趣旨」(同ただし書)は控訴審までを一体として判断するとされている。 
  3  すなわち、続審制により第一審と控訴審は、控訴審が第一審の審理と自己の審理を合わせるため、一体的であるという関係にある。
 第2 背景にある考え方
  1  このように続審制を採用する以上、控訴審においても訴訟資料の収集・提出を当事者の権能かつ責任とする弁論主義が妥当するはずである。
     そのため、適時提出主義(156条)の制約はあるものの(297条本文参照)、原則として攻撃防御方法の提出は自由のはずである。ここに、攻撃防御方法とは、原告の本案申し立て及び被告の反対申し立てを基礎付けるために提出する一切の資料をいう。
  2(1) しかし、訴訟の迅速・経済(2条参照)という民事訴訟の根本理念を達成するには無用な控訴を避けることが望ましく、そのため法は第一審での審理を充実させようとしている。
   (2) すなわち、準備書面(161条)、準備的口頭弁論(164条以下)・弁論準備手続(168条以下)・書面による準備手続(175条以下)や、当事者照会(163条)により第一審を充実させている。
  3  このように、背景には迅速・経済の点から控訴審での審理をできるだけ制限的に行おうという考え方がある。
 第3 控訴審における攻撃防御方法の提出に関する民事訴訟法の規律
  1  上記考え方により、法は控訴審における攻撃防御方法の提出を制限している。
  2(1) まず、第一審同様、適時提出主義及びこれを担保する時機に後れた攻撃防御方法の却下などの規定(157条1項2項、157条の2)は準用される。
       また、説明義務の規定も準用される(298条2項)。
   (2) これに加えて、控訴審においてはまず「裁判長は、当事者の意見を聴いて、攻撃若しくは防御の方法の提出・・・をすべき期間を定めることができる」(301条1項)とし、これにより攻撃防御方法の提出が制限される。規則181条1項も同様である。
       さらに、「前項の規定により定められた期間の経過後に同項に定められた期間の経過後に同項に規定する訴訟行為をする当事者は、裁判所に対し、その期間内にこれをすることができなかった理由を説明しなければならない」(301条2項)。これにより、間接的に攻撃防御方法の提出が制限される。規則181条2項も同様である。
  3  以上のように、控訴審における攻撃防御方法の提出に関し、民事訴訟法は制限的に規律している。
                                            以上  


2問目
 第1 設問1
  1(1) 甲の後訴は既判力に触れないか。
   (2) 既判力とは、確定判決に生ずる後訴への拘束力をいう(114条1項参照)。その趣旨は紛争解決の実効性を図る点にあり、手続保障が及んだことにより根拠付けられる。
       そして、本件後訴は前訴と同一訴訟物であり、既判力に触れ許されないようにも思える。
   (3) しかし、法律関係は移り変わるものであり、既判力は基準時における法律関係に生じるにすぎない。そして、当事者は事実審の最終口頭弁論終結時まで攻撃防御方法を提出できるから、この時点が基準時である。
   (4) したがって、基準時後の新事由があれば既判力には触れないため、基準時後の事実・権利が審理判断の対象となる。
  2(1) もっとも、甲の後訴は訴えの利益がないのではないか。
   (2) 訴えの利益とは本案判決をすることの必要性及び実効性を個々の請求内容について吟味するための訴訟要件である。
       そして、勝訴者が同一訴訟物について後訴を提起する場合は原則として訴えの利益がない。
   (3) したがって、例外的に訴えの利益を肯定する事情がないかが審理判断の対象となる。
 第2 設問2
  1  乙の後訴での主張は既判力に触れないか。
  2(1) 思うに、既判力は原則として主文に生じる(114条1項)。その趣旨は、紛争解決のためには通常これで十分であり、広げると審理が硬直化するし必ずしも手続保障が及んでいるとはいえない点にある。
そして、本件前訴の主文は「乙は甲にA土地を明渡せ」というものと考えられ、甲にA土地所有権があることは理由中の判断にすぎない。
したがって、既判力には触れない。
   (2) もっとも、これでは不当に紛争が蒸し返されることとなる。
       そこで、一定の場合は信義則(2条)により理由中の判断に拘束力を及ぼすべきである。
       ただ、信義則は一般条項ゆえ類型化し、①勝訴者が相容れない利益を追求したり必然的に伴う不利益を免れる場合(矛盾挙動禁止の原則)や、②敗訴者が相手の期待を裏切る場合(権利失効の原則)に限ると解する。
   (3) 本問で、理由中の判断で甲にA土地所有権があるとされており、一物一権主義により乙に所有権はないこととなる。したがって、乙がA土地所有権を主張することは権利失効の原則にあたる(②)。
  3  ただ、これも基準時における判断にすぎないから、法律関係に変動をもたらす基準事後の事実・権利が審理判断の対象となる。
 第3 設問3
  1  甲の後訴は既判力に触れないか。
  2(1) まず、既判力は当事者間のみに生じるのが原則である(115条1項1号)。これは、紛争解決には通常これで十分であり、第三者には通常手続保障が及んでないからである。
       したがって、丙に既判力は及ばないとも思える。
   (2) もっとも、丙が「口頭弁論終結後の承継人」(115条1項3号)にあたれば例外的に既判力が及ぶ。けだし、紛争解決の必要性があり、当事者により代替的手続保障が及んでいるからである。
       そこで、「口頭弁論終結後の承継人」の意義が問題となる。
   (3) 思うに、紛争解決・手続保障の点から、当事者適格を伝来的に取得した者をいうと解する。
   (4) 本問で、所有権に基づくA土地明渡請求訴訟の当事者(被告)適格はA土地の占有者にあり、丙は乙からA土地の占有を譲り受けているから、当事者適格を伝来的に取得したといえる。
   (5) そして、丙は固有の抗弁を有するがこれは後訴で提出できる。
   (6) したがって、丙は「口頭弁論終結後の承継人」にあたり、既判力が及び、甲の後訴は既判力に触れる。
  3  ただ、やはり基準後の新事由があればよく、法律関係に変動を生じさせる事実・権利が審理判断の対象となる。
                                            以上


 自己評価A~E 法務省評価A
1問目は続審ということ以外全くの現場思考。その割には結構書けたと思う。
2問目は何といっても小問2が怖かった。これによって大きく評価が変わるのではと心配度合いはこれが最凶だった。結局どっちでもよかったとさ。
1問目
 第1 乙の罪責 
  1  乙は「正当な理由がないのに」A社倉庫という「人の看守する・・建造物・・に侵入し」ており、建造物侵入罪(130条前段)が成立する。
  2  乙がBに暴行を加えた行為につき、事後強盗罪(238条)が成立しないか。
   (1) 乙はA者所有の絵画という「他人の財物を」「窃取」(235条)しており、「窃盗」である。
   (2) 次に、窃盗の機会に腹部を強く蹴り上げるという反抗抑圧に足る暴行を加えており「暴行」である。
   (3) また、乙は逃亡目的であり、「逮捕を免れ・・るため」といえる。
   (4) したがって、事後強盗罪が成立する。
  3  では、丙がBに暴行を加えた行為につき事後強盗罪の共同正犯(60条)が成立しないか。
   (1) まず、後述のように丙には事後強盗罪が成立する。
   (2)ア では、暴行を加えていない乙にも共同正犯が成立するか、共謀共同正犯が問題となる。   
      イ 思うに、「すべて正犯」とされる一部実行全部責任の根拠は、相互利用補充関係の下一体となって犯罪を実現している点にある。
        そこで、①正犯意思②意思を実行に移す共謀③いずれかの実行があれば、共同正犯となると解する。
      ウ 本問で、乙は自らが逃亡するために暴行する意思があり(①)、丙は事情をすべて認識し乙の逃走を助けようと思って意思を通じているから黙示の共謀があり(②)、丙が暴行している(③)。
   (3) したがって、共同正犯が成立する。
  4  そして、乙はBの死の結果についても責任を負い強盗致死罪(240条後段)が成立する。けだし、Bは乙・甲いずれの暴行により死亡したか不明であるが、上述のようにいずれの暴行についても責任を負うからである。
  5  以上より、乙は①建造物侵入罪(130条前段)②事後強盗罪の共同正犯(238条、60条)③強盗致死罪(240条後段)の罪責を負う。
     そして、②は③に吸収され、これと①は通常目的手段の関係にあり、牽連犯(54条1項後段)となる。
 第2 丙の罪責
  1  丙がBに暴行を加えた行為につき事後強盗罪の共同正犯(238条、60条)が成立しないか。
  2  まず、「窃盗」であることは一定の犯罪行為に関する犯人の人的関係ある特殊の地位または状態であるから、事後強盗罪は身分犯である。
     したがって65条の問題となる。
  3  そして、「犯人の身分によって構成すべき」「身分に特に刑の軽重がある」との文言から1項は真正身分犯の成立と科刑、2項は不真正身分犯のそれについての規定と解する。
  4  また、非身分者も身分者を通じて犯罪を犯すことは可能であるから「共犯」は共同正犯も含む。
  5  よって、事後強盗罪の共同正犯が成立し罪責を負う。
     なお、丙はBの死については責任を負わない。けだし、Bは乙の暴行により死亡したかもしれず、責任を負わせれば利益原則(刑訴法336条参照)に反するからである。
 第3 甲の罪責
  1  甲は乙を「教唆して」建造物侵入罪(130条前段)を犯させており建造物侵入罪の教唆犯(61条1項)が成立する。
  2  甲は乙がBに暴行した点につき、強盗致死罪の教唆犯が成立しないか。
  (1) 乙は甲の教唆をきっかけに強盗致死罪を犯しており、同罪の教唆犯の客観面にあたる。
  (2) では、故意(38条1項)が認められるか。
    ア まず、乙はA社の倉庫には何も保管されていないと思っており、不能犯の教唆の故意しかないのではないか。
    イ 思うに、実行行為とは犯罪結果実現の現実的危険を有する行為をいう。そして、行為は主観と客観の統合体であるから、行為時に一般人が認識しえた事情及び行為者が認識していた客観的事情を基礎に判断すべきである。
    ウ 本問で、甲はA社倉庫に何もないと思っているが、これは誤りゆえ客観的事情でなく基礎事情にならない。そして、一般人ならA社倉庫に財物があることは認識しうるから、これを基礎にすると窃盗の現実的危険がある。
    エ したがって、不能犯の教唆の故意しかないとはいえない。
  (3)ア そうだとしても、甲は窃盗を未遂に終わらせる意図しかなく、この場合も可罰的か。未遂の教唆が問題となる。
     イ 思うに、共犯の処罰根拠は正犯の実行行為を通じて間接的に犯罪結果・危険を生じさせた点にある。
      したがって、正犯が実行行為に出る認識があれば足り、未遂の教唆は可罰的である。
     ウ 本問で、甲に窃盗未遂罪(243条、235条)の教唆犯が成立しうる。 
  (4)ア では、強盗致死罪の教唆犯が成立するか。共犯と錯誤が問題となる。
     イ 思うに、故意責任の本質は、規範に直面したのにあえて犯罪を行ったことへの道義的非難である。そして、規範は構成要件の形で与えられているから、構成要件が異なれば原則として故意は認められない。
     ウ もっとも、行為態様・保護法益の点で重なり合いがあればその限度で規範に直面したといえ、故意責任を問いうる。
     エ 本問で、窃盗未遂と強盗致死は人の財物を奪うという行為態様が、また財産罪の一種であるという保護法益が共通する。
     オ したがって、窃盗未遂罪の教唆犯の故意がある。
  (5) よって、窃盗未遂罪の教唆犯が成立する。
 3  以上より、建造物侵入罪の教唆犯(130条前段、61条1項)及び窃盗未遂罪の教唆犯(243条、235条、61条1項)が成立する。
    そして、これらは1個の行為であり、観念的競合(54条1項前段)となる。 
                                            以上


2問目
 第1 乙の罪責
  1  乙が甲の申し出を了承した行為につき、受託収賄罪(197条1項後段)が成立しないか。
   (1) 乙はB市総務部長であり「公務員」である。
   (2) 広報誌の発注は乙の「職務に関し」といえる。
   (3) 80万円は職務の対価としての不正な利益であり、また金額的に社会的儀礼の範囲ともいえないから「賄賂」である。
   (4) そして、甲の申し出を了承しており、「約束」である。
   (5) また、正当な職務の依頼であっても本罪の保護法益たる公務の公正と社会の信頼が害されており、「請託」といえる。
   (6) したがって、受託収賄罪が成立する。
  2  乙が丙から80万円を受け取った行為につき、受託収賄罪が成立しないか。
   (1) 上述のように他の要件は満たす。
   (2) 次に、「職務に関し」は上述の保護法益の点から抽象的職務権限外であってもこれと密接に関連する行為であってもよい。そして、
乙は広報誌の印刷発注の職務に従事しているが、B市総務部長という高い地位にあり道路工事の発注についても職務密接関連行為といえるから、「職務に関し」といえる。
   (3) また、確かに乙は丙の賄賂につき勘違いがあるがこれは同一構成要件の問題ゆえ故意は阻却しない。
   (4) そして、80万円を「収受」している。
   (5) したがって、受託収賄罪が成立する。
  3  以上より、乙は2つの受託収賄罪の罪責を負いこれらは一罪となる。
 第2 丙の罪責
  1  丙が乙に80万円を届けた行為につき受託収賄罪に対する贈賄罪が成立しないか。
  2  前述のように乙は受託収賄罪が成立するから「第百九十七条・・・に規定する賄賂」といえる。
  3  また、後述のように丙は甲に欺かれているが、任意に交付しているため公務の公正と社会の信頼は害されるから「供与」といえる。
  4  よって、丙に受託収賄罪に対する贈賄罪が成立し罪責を負う。
 第3 甲の罪責
  1  甲が乙に贈賄の申し出をした行為は「約束」にあたり贈賄罪(198条後段)が成立する。
  2  甲が乙に贈賄を「教唆」した行為は贈賄罪の教唆犯(198条前段、61条1項)が成立する。
  3  甲が丙を欺いて賄賂を供与させた行為につき詐欺罪(246条1項)が成立しないか。
  (1) まず、甲は丙に乙が便宜を図ってくれると欺き(欺く行為)、乙は錯誤に陥って80万円を届けている。
  (2) しかし、80万円は賄賂であり不法原因給付(民法708条)であるが、「財物」といえるか。民法上返還請求権がないため問題となる。      思うに、詐欺罪の本質は欺かれなければ交付しなったという関係があれば足るから、「財物」といえる。けだし、不法原因給付となるのは交付した後の話だからである。
  (3) したがって、詐欺罪が成立する。
  4  甲が丙に弁償請求を断念させた行為につき、恐喝罪(249条2項)が成立しないか。
  (1) まず、恐喝罪の本質は脅されなければ交付しなかった点にあるから、「そんな・・・できなくなるぞ」との適法行為の告知でも脅迫にあたる。
  (2) また、80万円は賄賂であり不法原因給付として民法上返還請求権はないが、刑法上は一応社会通念上尊重しうる利益といえるから、「財産上不法の利益」といえる。
  (3) したがって、恐喝罪が成立する。
  5  以上より、甲は①贈賄罪(198条後段)②贈賄罪の教唆犯(198条前段、61条1項)③詐欺罪(246条1項)④恐喝罪(249条2項)が成立する。
そして②と③は一個の行為ゆえ観念的競合(54条1項前段)となり、これと①④は併合罪(45条前段)となる。
                                            以上


 自己評価C 法務省評価A
総論は書く量が多すぎて大変だった。承継的共同正犯のひねりに対応はできていないが原則通りにしておけば十分。
各論は市と県の違いなんて全く気づかなかった。W贈賄でも死亡せず。
あまり面白くなく、声をあげて笑うことは1度もなかった。
予想通り南海キャンディーズと笑い飯は全然面白くなかった(後者はなぜあんなに評価が高かったのか・・)。ブラマヨは1番安定してなかなか面白かった。
個人的には千鳥が1番面白かった。ただ親は全然と言っていた。やはり人それぞれ。
みなさんはどうでしたか?

1問目

 第1 設問1
  1 Aについて
   (1) 本件取締役会への一任決議は269条1項2号に反しないか。退職慰労金が「報酬」にあたるか問題となる。
   (2) 思うに、本条の趣旨は、報酬の決定は本来業務事項ゆえ取締役会の権限のはずであるが、これではお手盛りの危険があることから、総会決議を要求してこれを防止する点にある。
      そして、退職慰労金は報酬の後払い的性格があるし、取締役が将来のために額を大きくする危険性があり、お手盛りに準ずる危険がある。
      したがって、「報酬」にあたると解する。
   (3) そうであれば、原則として「株主総会ノ決議」が必要なはずである。
      しかし、退任するのは通常少数であり、プライバシーを重んじるわが国の風潮にかんがみても総会決議によることは必ずしも妥当ではない。
      そこで、会社に株主にも推知しうる一定の合理的な基準があり、この基準に従って支払うことが総会で明示されていれば例外的に取締役会への一任も許されると解する。
   (4) 本問で、甲社には退職慰労金支給規定があり、総会決議でこれに従って支給することが明示されている。
   (5) よって、例外的に269条1項2号に反しない。
  2 Bについて
   (1) 本件取締役会への一任決議は279条1項に反しないか。退職慰労金が「報酬」にあたるか問題となる。
   (2) 思うに、本条の趣旨は、監査役の報酬が取締役会に決定されるならば監査の独立性が保てなくなることから、これを防止しようとした点にある。
      そして、退職慰労金が取締役会に決定されるとすれば、在任中の監査がどうしても甘くなり独立性が保てなくなる。
      したがって、「報酬」にあたると解する。
   (3) そうであれば、「株主総会ノ決議」が必要である。
      そして、監査役については取締役と異なって例外的に取締役会に一任することも許されないと解する。けだし、一任することで独立性が害されることとなり、許容性が認められないからである。
   (4) 本問で、甲社は取締役会への一任決議をしている。
   (5) よって、279条1項に反し許されない。
 第2 設問2
  1 本問のよう取締役の報酬を任期途中で変更することは許されるか。
  2(1) 思うに、取締役は会社と委任関係にあり(254条3項)、契約の拘束力から任期途中での報酬額の変更は許されないのが原則である(民法648条1項参照)。
   (2) もっとも、一切変更が許されないとすると職務内容によっては会社に酷である。
       そこで、会社に職務内容に変更があれば報酬を変更する定めがあり、取締役がこれを了承していれば、例外的に変更も許されると解する。
  3  本問で、乙社にこのような定めがあり、Cがこれを了承している場合に限り、例外的に本件総会決議も許される。
 第3 設問3
  1 本問のような取締役会への一任決議は269条1項3号に反しないか。
  2(1) まず、新株予約権は「金銭ニ非ザルモノ」である。
   (2) そこで、同規定に反するかはお手盛り防止という趣旨から考える。
  3 確かに、丙社は具体的な発行時期及び方法の決定を取締役会に一任してはいる。 
    しかし、総額や普通株式合計を総会決議で決定している以上お手盛りの危険はないといえる。けだし、発行時期や方法は手続的事項にすぎないからである。
  4 よって、本件総会決議は269条1項3号に反しない。
                                            以上 


2問目 

  1 まず、X銀行は形式的資格を有する。けだし、本件手形はY・Y社甲支店長Aと受取人から最終の被裏書人まで手形面上裏書の記載が間断なく続いており、「裏書ノ連続」(手形法77条1項1号、16条1項)があるからである。
  2 そうだとしても、Y社は手形債務を負担するか。
   (1) まず、前提として振出人Z社は手形債務を負担するか。Z社との法人名義の記載が「署名」(手形法75条7号)にあたるか問題となる。
   (2) 思うに、法が署名を要求した趣旨は、債務を負うものを明らかにして取引安全を図るとともに、慎重に振出しをさせる点にある。
      そして、この趣旨は法人名義であっても変わらないから、「署名」にあたる。
   (3) 本問で、Z社は手形債務を負担する。
  3 では、Y社は手形債務を負担するか。
   (1) 本問でY社は形式的には裏書をしているが実質的には手形保証の意図であるいわゆる隠れた手形保証である。そこでこれは「振出しや保証」を禁じたY社内規に違反するか。隠れた手形保証の性質が問題となる。
   (2) 思うに、手形取引の安全を図るため、原則として外形から判断すべきであり、あくまで裏書である。
      もっとも、隠れた手形保証であることを知っている者に対しては保護の必要がなく、例外的に手形保証(手形法77条3項、30条以下)であることを主張できると解する。
   (3) 本問で、X銀行はZ社が融資を受ける条件に信用ある第三者が裏書した手形の差し入れを要求しており、Z社がすでにY社の裏書ある手形を受け取ったことからして、X銀行は隠れた手形保証であることを知っていたといえる。
   (4) したがって、手形保証として、Y社内規に違反することになり、原則としてY社は手形債務を負担しない。
  4(1) しかし、Aは支配人であり、X銀行は「善意ノ第三者」(38条3項)として保護されないか。「善意」の意義が問題となる。
   (2) まず、手形も交付契約であり、商法の適用がある。
       そして、手形取引の安全のため、単なる過失ある者は「善意」に含まれるが、信義則(民法1条2項)上悪意と同視できる重過失ある者は含まないと解する。
   (3) 本問で、Xが重過失なくY社内規を知らなかった場合は、「善意ノ第三者」として保護される。
  5(1) ただ、X銀行がY社に対して手形金の請求をするには、遡求条件を満たす必要がある。
   (2) 本問で、Z社が「破産手続開始ノ決定」(手形法77条1項4号、43条2号)がなされており、「満期前」である平成17年5月18日においても遡求することができる。
   (3) よって、X銀行がY社の内規違反につき重過失なく知らなかった場合は、この請求は認められる。
                                            以上 


 自己評価E 法務省評価A

1問目は小問3が青ざめたものの周りもわかってなさそうなので報酬の趣旨から書いて逃げれば沈まないと思った。実際は報酬ではないとのことだが今となってはどちらでもいい。数字を生かせなかった。
2問目は酷評された答案。確かに支配人の論点を落としたのは痛い。ただ、問題文から見てこの問題のメインは明らかに隠れた手形保証だと思ったのは事実。また書き始めてから構成と答案の内容を90度ぐらいは変えたので時間がなかった。そのため隠れた~で頭が一杯になり答練で何度もやったのに支配人に頭が回らなかった。やや反省。
内容的にいい答案では決してないので合わせてAはちょっと驚き。他の人の答案をほとんど読んでいないけどみなさん相当出来が悪かったのでしょうか。
1問目
 第1 設問1
  1 Cはまず、「主債務者」Bに「催告をすべき旨」(452条本文)を、また「主債務者」Bの「財産について執行」(453条)することを主張することが考えられるが、これは認められない。けだし、Cは連帯保証人であり、補充性がなく「前二条の権利を有しない」(454条)からである。
  2 Cは次に、BがAに対して有する損害賠償請求権(634条2項前段)により「相殺」(457条2項)を主張することができる。
  3 Cはまた、BがAに対して有する損害賠償請求権により同時履行の抗弁(533条)を主張する(634条2項後段)ことが考えられるが、これは認められる。けだし、Cは連帯保証人であるがこのことは補充性がないなどを意味するに止まり、同時履行の抗弁権を有する(448条参照)。そして、Aの損害賠償債務は、「弁済期」(533条ただし書)にあるからである(637条1項)。
  4 また、Cは保証債務が錯誤無効(95条)により不存在であると主張することができないか。
  (1) まず、本問は動機の錯誤だが、明示・黙示に動機が表示された場合は「錯誤」(同本文)にあたる。そして、Cは機械が瑕疵のないものであることを前提に保障したといえ動機が黙示に表示されたといえる。
  (2) 次に、「要素」(同)とは意思表示の主要部分であり、錯誤がなければ当事者も一般人も意思表示しなかったといえる場合をいう。そして、契約では1時間あたり5000個程度の機械のはずが2000個程度であればCも一般人も意思表示しなかったといえるから、満たす。
  (3) また、Aが機械を使うまで瑕疵に気付かなかったのであり、「重過失」(同ただし書)はない。
  (4) よって、主張することができる。
 第2 設問2
  1 DはまずBへの報酬代金請求権(632条)を被保全債権として、Aに対して、BのAに対する損害賠償請求権(634条2項本文)を代位行使(423条)し、自己への支払を請求することができるか。
  (1) まず、Bは多額の債務を残して行方不明となっており、無資力ゆえ「自己の債権を保全するため」といえる(同1項本文)。
  (2) また、損害賠償請求権は「一身に専属する権利」(同ただし書)ではない。
  (3) したがって、代位行使することができる。
  (4) そして、責任財産保全という本条の趣旨から債権者への支払は認めるべきでないとも思えるが、金銭は債務者が受け取らなければ代位行使の趣旨が達成できないので、認めてよい。本問でもDは自己への支払を請求できる。
  (5) よって、請求することができる。
  2 では、DはAに対し不当利得返還請求(703条)できないか。契約当事者間の給付が第三者の利益となったいわゆる転用物訴権が問題となる。
  (1) まず、AはDの修理という「労務」によって自らの修補債務を免れるという「利益」を得ており、Dは「損失」を被っている。
  (2) 次に、「そのために」(因果関係)といえるかは公平という本条の趣旨から社会通念上の因果関係があれば足る。そして、本問では、これが認められる。
  (3) では、「法律上の原因なく」といえるか。意義が問題となる。
      思うに、公平という本条の趣旨から、当事者間の契約を全体的に見て対価関係なく利益を得たといえる場合をいうと解する。
      本問で、AはBから修補に代わる損害賠償請求をされるのであり、対価関係なく利益を得たとはいえない。
      したがって「法律上の原因なく」といえない。
      確かに、Bは現在行方不明であり直ちには請求されないが、いずれAは請求されるから本件請求を認めるべきでなく、またDは前述のように代位行使できるから酷ともいえない。
  (4) よって、請求することができない。
                                                                以上  
   

2問目
 第1 設問1
  1  CはEに対し庭石所有権に基づく物権的返還請求をなしえないか。
  2(1) まず、Cは売買(555条)により庭石所有者Aから庭石を買い受けており、所有権を取得する。
       物権的請求権は明文がないが、物権の直接支配性・排他性から認められる(202条参照)。
   (2) そして、Eは庭石を占有している。
   (3) したがって、認められうる。
  3(1) そこでEは、Dが「第三者」であり、「引渡し」を受けたことによりAはDに「対抗することができない」(178条)結果、自己にも対抗できないと主張できないか。「第三者」の意義が問題となる。
   (2) 思うに、本条の趣旨は、物権に排他性があることから公示を要求することで動産取引の安全を図る点にある。
       そうであれば、「第三者」とはこのような保護に値する者をいい、単なる悪意者は含むがいわゆる背信的悪意者(不動産登記法4、5条参照)は含まないと解する。
   (3) 本問で、Dは専らCに嫌がらせをする意図で庭石を購入しており、背信的悪意者ゆえ「第三者」にあたらない。
   (4) したがって、主張できない。
  4(1) では、Eは自己が「第三者」であると主張できないか。背信的悪意者からの譲受人が「第三者」かが問題となる。
   (2) 思うに、背信的悪意者も無権利者でなく、信義則(1条2項)上権利主張が認められないにすぎない。そこで、この者からの譲受人は自身が背信的悪意者でない限り、「第三者」にあたると解する。
   (3) 本問で、Eが背信的悪意との事情はないから、「第三者」にあたる。
   (4) したがって、主張できる。
  5  よって、Cは請求をなしえない。
 第2 設問2
  1  Bは抵当権(369条以下)に基づき庭石の物権的返還請求権を行使できないか。Bの主張を考察する。
  2(1) まず、そもそも抵当権に物権的請求権が認められるか。抵当権が非占有担保であるため問題となる。
   (2) 思うに、非占有担保であることは原則として使用収益に関与しえないことを指すのみであり、抵当権にも直接支配性・排他性は認められるから、物権的請求権は認められる。
  3(1) そうだとしても、庭石に抵当権の効力が及んでいたと主張できるか。抵当権は甲土地及び乙建物にのみ設定されているため問題となる。
   (2) 思うに、「従物は、主物の処分に従う」(87条2項)から、庭石が甲土地・乙建物の「従物」(同1項)といえれば抵当権の効力が及ぶ。
       そして、従物とは①独立の物で②継続的に主物の効用を助け③主物と同一の場所的関係にあり④主物と同一所有者に属する必要がある。
   (3) 本問で、庭石は独立の物であり(①)、庭の景色を形作ることで継続的に甲土地・乙建物の効用を助け(②)、甲土地上にあり(③)、いずれもAの所有に属する(④)。
   (4) したがって、抵当権の効力は及んでいたと主張できる。
  4(1) しかし、すでに庭石は甲土地から搬出されており、この場合も抵当権の効力が及ぶことをEに主張できるか。
   (2) 思うに、従物に抵当権が及ぶことは主物への抵当権設定登記により公示されているにすぎない。したがって、公示の衣に包まれている限り、すなわち抵当権設定登記をした主物上にある限りで第三者に主張でき、搬出された場合は主張できないと解する。
   (3) 本問で、庭石は甲土地上になくEの下に搬出されているから、BはEに主張できない。
  5 以上より、Bの主張は認められず、BはAに対して物権的返還請求権を行使できない。
                                                                以上
 

 自己評価A 法務省評価A

1問目小問1が最も難しくかなり混乱して当たり前のことだけ書いて逃げようと思った(去年の請負の問題の反省)。ただ錯誤はおかしいし要件検討スタイルを貫いた結果とはいえ量が多すぎる。みんなが書かないだろうけど自分は書きたいところは短くが鉄則。連帯保証なので催告・検索の抗弁がないことは当たり前の基本事項ゆえ逆に示すべきだと思った。あとは契約類型を明示できなかったのが残念。これは起案では絶対やるべきことだから答案でもやろうと直前期に聞いていたところだったが・・混乱のせいか当然に請負だと迷わなかったせいか。
2問目は簡単なのでおおむねできたと思う。ただ利益考量があまりできなかったこと、数字を生かせなかったことが残念。




◎ディープ
○リンカーン
▲タップ
△ゼンノ
×ビッグ
これでいきましょう。
1問目
 第1 設問1
  1  本問法律は対象者が酒類を提供する飲食店を営む自由を侵害し違憲ではないか。
  2  まず、この自由は営業の自由であり、明文がないが22条1項で保障されると解する。けだし、職業選択の自由は営業の自由が認められて初めて意味があるからである。
  3(1) もっとも、営業の自由も絶対無制約でなく、「公共の福祉」(12条後段、13条後段、22条1項)による必要最小限の制約に服する。
   (2) では、いかなる制約が許されるか。違憲審査基準が問題となる。
       思うに、営業の自由のような経済的自由権は、精神的自由権に比して裁判所の判断能力は十分でないし、いったん制約されても民主政の過程で回復可能である。したがって、合理性の基準が妥当する。  
       ただ、経済的自由権といっても国民の健康・安全に対する弊害を防止するための消極目的規制は、社会経済政策のための積極目的規制に比して裁判所の判断になじむから、やや厳格に判断すべきである。
       そして、目的が混在している場合は、規制態様も加味して考慮する。
       本問では、飲酒による自己及び他者の安全に対する弊害を防止するため、及び種々の社会的費用への影響という社会経済政策のためという両目的が混在している。そして規制態様は免許制またはその取消しという厳しいものである。そこで、目的が重要で、手段と目的の間に実質的関連性がある場合に限り制約が許されると解する。
  4  これを本問にあてはめる。
   (1)目的
      まず、本問法律の目的は、酒類に到酔性・依存性があることから飲酒者自身の健康・他者への加害を防止し、また種々の社会的費用への影響にかんがみてこれらの弊害を防止しようというものであり、目的は重要である。 
   (2)手段
     ア まず、免許制にすることは確かに制約の程度として小さくはない。しかし、飲食店で酒類を提供するのは上記弊害を考慮すると資格ある者に限るべきであり、目的との間に実質的関連性がある。
     イ 次に、酩酊者への酒類の提供を免許取消事由とすることは、酩酊者は前述の弊害が特に大きいことからすれば、確かに目的との一応の関連性はある。しかし、目的を達成するには注意や罰金・科料によれば十分であり、いきなり免許を取消すことまでは必要でない。したがって、目的との間に実質的関連性はない。
   (3)よって、法律の前段は必要最小限の制約といえるが、後段はいえない。
  5  以上より、法律前段は対象者の酒類を提供する飲食店を営む自由を不当に侵害するものでなく合憲であるが、後段は22条1項に反し違憲である。
 第2 設問2
  1  本問法律は対象者の飲酒の自由を侵害し違憲ではないか。
  2  まず、飲酒の自由について明文はない。しかし、人権の固有性(11条後段、97条後段)から、あらゆる生活領域における一般的行為の自由の一態様として、13条後段により保障されると解する。この場合、制約の可否は人格的生存に必要不可欠か否かなどを考慮して考える。
  3  ここに、人権も「公共の福祉」による必要最小限の制約に服す る。そこで、違憲審査基準が問題となる。
     思うに、飲酒は日常生活に必須のものではないが、生活を豊かにするものであり人格的生存の周辺部分をなすある程度重要な人権である。そこで、目的が重要で、手段と目的の間に実質的関連性がある場合に限り制約が許されると解する。
  4  これを本問にあてはめる。
   (1)目的
      まず、本問法律の目的は、前述のとおり酒類のもたらす弊害を防止するためのものであり、重要である。
   (2)手段
      この点、確かに道路、公園、駅その他公共の場所は多数の人がいるため、前述の弊害のうち他者加害の危険は大きいため制約は許されるとも思える。しかし、あと2つの目的である自己への弊害や社会的費用への影響は公共の場所であるかとはなんら関係がない。また、他者加害の点についても、単に飲酒を楽しむだけの者もいることからすれば、現に危険性のある者について個別に注意するなどの対応をとれば十分であり、拘留・科料は行き過ぎた制約である。したがって、目的との間に実質的関連性はない。
   (3)よって、必要最小限の制約とはいえない。
  5  以上より、本問法律は対象者の飲酒の自由を不当に侵害し、13条後段に反し違憲である。
                                                                  以上


2問目
 第1 41条との関係
  1  裁判所法を改正して最高裁判所(以下最高裁と略す)に法案提出権を認めることは、内閣の法案提出権は国会単独立法の原則を定めた41条(「唯一の立法機関」)に反し違憲ではないか。
  2(1) 思うに、41条の趣旨は、主権者たる国民(前文1段、1条後段)の代表機関たる国会(前文1段、43条1項)に立法権を独占させることによって、立法に民意を反映させ、もって国民の権利自由を守る点にある。
       そうであれば、最高裁や内閣の法案提出権は認められないようにも思える。
   (2) しかし、法案提出は審議・議決と異なり、立法の本質ではない。
       そして、最高裁に法案提出をさせることで、立法に司法に関する専門知識を反映させることができる。
       また、内閣に法案提出をさせることで、立法に行政に関する専門知識を反映させることができる。
  3  よって、いずれも41条には反しないと考える。
     以下、さらに検討する。
 第2  最高裁と内閣の比較
  1  このように41条には反しないが、他の規定に反しないか。最高裁と内閣の機関としての役割から検討する。
  2(1)最高裁は、法の支配(81条、98条等)の下、政治過程で 侵害されがちな少数者の人権を守る役割を担う非政治的機関である。
      そのため、国会を含めた政治部門とは一線を画すことが期待されている。
   (2)内閣は、議院内閣制(66条3項、67条、68条1項、6 9条)の下、民主的責任行政を実現する役割を担う政治的機関である。
      そのため、国会との協働が期待されている。
   (3)このような役割の違いが、結論の違いをもたらしうる。
  3(1)思うに、最高裁に法案提出を認めることは、自らが提出した法案について違憲審査権(81条)を行使することとなり、裁判の公正に疑義が生じる。
      また、最高裁が法案提出することにより、司法の政治化が生 じ、少数者の人権保障という目的の達成が困難になる。
      確かに、本問法律の内容について最高裁の意見を反映させる必要はあるが、憲法は規則という形でのみこれを認めていると解すべきである(77条1項)。これは、内閣と違って72条のような規定がないことからもわかる。
      よって、裁判所法を改正して最高裁に法案提出権を認めることは41条には反しないが、最高裁の役割を定めた76条1項に反し違憲である。
   (2)これに対して、内閣に法案提出を認めることは、「国務を総理する」(73条1号)との文言に合致する。
      また、内閣が法案を提出することにより、内閣と国会との協働による民主的責任行政という目的がより達成できることになる。           そして、内閣については72条が法案提出を予定している(「議案」)。実際にも、法律の大部分は内閣が提出したものである。
      よって、内閣に法案提出権を認めることは、41条に反せず、内閣の役割を定めた65条にも反せず、合憲である。
  4  このように、最高裁と内閣で結論が異なるのは、非政治的機関である最高裁と政治的機関の役割の違いによるのである。
                                                                  以上


 自己評価A- 法務省評価A
 
人権は今見ると結構雑、ただ時間がなかったのであの場ではこの程度が限界だった。
統治は我ながら美しく対比できていると思う(笑)。意図的に外した司法権の独立があとになって怖くなった。 


今日から1日2通ずつ今年の総まとめとして本試験の再現&振り返っての感想を載せていこうと思います。前のブログで見てくださった方もおられると思いますがこちらにまとめた方が便利ですので。できるだけ誤字なども直して載せます。
今はまだみなさんバリバリ勉強されていると思いますが、まさに年末年始は机で勉強する気が起きないと思いますし休むべきだと思います。そういう時は方法論系の講義を聞き流すとか他人の答案を流し読みするといった軽~い勉強をしてもいいと思います。その1つの材料として使っていただければ幸いです。しょぼ~いクリスマスプレゼントといったところでしょうか。

今更ながら義経の最終回を見終わりました。大河ドラマは初めてまともに見ましたが非常によかったです。タッキ-がかっこいいのは当然として、主要人物の2人である藤原秀衡役の高橋英樹さん、源頼朝役の中井貴一さんにはこんな大人の男ってホントかっこいいなと脱帽させられました。そして静役の石原さとみさん。これまで彼女に対し何とも思っていませんでしたが、ここまで着物が似合うとは!と驚くほど可憐でした。もちろんその他の出演者もよかったです。
明日から総集編があるはずなので暇な方は上の4人だけでも見てみる価値は大いにありますよ。
滅法寒くなってきましたがみなさまいかがお過ごしでしょうか?自分は相変わらず夜遅く帰宅という生活です。お互い体調に留意して年末を過ごしましょう。
今日から外食3連発で金が・・
2万ヒットありがとうございます。
関西の会の結成コンパに行ってきました。ムカツクこともありましたがおおむね楽しかったです。最近外食や飲み会が多くて肌が荒れ気味なのがイヤです。
今日テレビで小6の30人31脚全国大会を見ていました。まだ小さいのに厳しい練習を詰んで取り組む姿や、敗れたのち先生からよく頑張ったといわれ泣き崩れる姿は感動的でした。
この大会には50mを8,80秒というギネス記録をもつ愛媛の小学校が本命として登場していました。この小学校のチームは前回も5年生チームながら出場し26チーム中10位と好成績を挙げていました。今回は予選から常にトップで綺麗な走りを見せていましたが、決勝で対抗と目された北海道の小学校にわずかの差で敗れてしまいました。熱心に指導してきた元陸上部の先生は「走りに満足している。全国2位だ凄いじゃないか」とうようなことを言いました。するとキャプテンはくやしそうにこう言ったのです。「去年も5年生なのに凄いじゃないかと言われた。今年は同じことを先生に言わせたくなかった」と。このキャプテンがいたからこそこのチームはここまでこれたのかなと思い、感銘を受けました。年は一回りほど下ですが大変教えられた気がしました。
ブログを見ておわかりかと思いますが最近更新しようとうテンションが非常に低いです。忙しかったり他のことに興味があったりで・・。更新しなければと思うとますますやっていきにくくなるのでボチボチやろうと思います。そういえば訪問者も激減している感じですネ(笑)。
昨日は弁護士会主催の説明会&懇親会に参加しました。さすがに予備校主催のものとは異なりかなりの数の合格者&弁護士が参加していて結構凄かったです。また、合格者同士コミュニケーションが結構とれていて、人付き合いがあまり得意でない自分にとってはどんどん知らない人に話し掛けている人は凄いなと感じました。実務家の方も多数おっしゃるようにこの先も同期としてやっていくわけなので、合わない人はともかくできるだけ知り合いや友人を増やしておきたいと思います。
色々あって最近ちょっと更新できていません。またぼちぼち更新していくつもりですのでよろしくお願いします。
第2回の今回は話の流れ上(笑)判例集についてです。

まず使ったものを挙げます。
憲法 憲法判例(有斐閣)、択一六法(レック)、最新重要判例集(辰巳)、合格判例(セミナー)
民法 択一六法、最新重要判例集
刑法 前田250選、最新重要判例集
商法 なし
民訴 判例講義(悠々社)
刑訴 百選

論文に関して役立った・勉強になったのは、憲法判例、最新重要判例集、前田250選、判例講義、百選です。
択一は憲法判例、択一六法、最新重要判例集です。合格判例はほぼ使わなかったのでわかりませんがよさそうな気はします。

憲法判例は、最重要部分である判旨が長くとってあるのがいいです。レイアウトが微妙・ポイントがわかりにくい・31条以下の判例を載せすぎなど自分ならこう作るという改善点は結構ありますが(笑)。
前田250選は、まず解説の文章がまさに択一のネタになっていたり(多分です・笑)、15年2問の偽造の判例が百選にはないのに載っていたりします(最新版は持っていないので未確認です)。また自分は行為無価値二元論ですが前田先生の考え方を知っておくことは有益ですので、特に二元論の方で前田先生の基本書を持っていない方にお勧めです。さらに解説もポイントを絞っており定義や論点の確認にも最適です。加えて改訂が速くてこの点でも百選を凌駕しています。刑法は断然これでしょう。
判例講義は、マイナー目なんだと思いますが、図も載っていてレイアウトも百選より遥かに見やすいです。民訴が苦手で買いましたがなるほどと思うことも結構ありました。民訴では特に理解の進んでいる人にとっては判例の重要性はそれほど高くないでしょうが、意外といいと思います。難点はサイズが中途半端でデカいことです(笑)。
その他は特にいうこともありません。

また長くなってしまいました。どうも書き出すとキチンと書こうとしてしまい止まらないみたいです(笑)。
遂に12月になって今年もあと1ヵ月ですが、受験生の方も60期予定の方も体に気をつけて頑張っていきましょう。自分はすでに12月は半分予定が入っており、なかなか忙しいです。ただ充実してもいますので、よい月を送りたいと思います。
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